8月20日・21日の二日間にわたり、静岡大学理学部で研修をさせていただきました。
生徒20名が5つの研究室に別れ、各研究室で必要な基礎知識の講義の後実験を行い、結果を分析しました。
各研究室の内容は以下のとおりです。
【三重野研究室】
実験タイトル:セシウムなどのガンマ線放出を測ってみよう
セシウム137から放出されるガンマ線のエネルギーを、シンチレーターにより測ります。どうしてガンマ線がでるか? どのような原理でガンマ線を測定するか学習します。また、ガンマ線の貫通能力を測定しその性質を調べる。周囲環境に存在するガンマ線、一般物質からのガンマ線も測定します。
【嶋田研究室】
実験タイトル:電子の比電荷・原子のスペクトル
低圧のヘリウムガスの入っている管球内に磁場をかけて電子銃から打ち出させた電子を円運動させます(電子は蛍光を発するので、肉眼で電子の軌道を見ることができる)。かけた磁場と電子の早さと円軌道の半径から電子の比電荷を測定します。
ガスが入っている管球内で放電を起こすと、ガスの元素に関連した波長の光が出ます。いくつかのガスのスペクトルをプリズムを用いた分光器を使って測定します。
【大矢研究室】
実験タイトル:X線で調べる材料表面の化学結合状態
X線光電子分光装置を用いて、固体材料表面の化学状態やその深さ方向変化について調べることにより種々の材料表面での化学的挙動を理解します。(XPSの使用料が必要)
実験タイトル:放射線の特性
放射線の基本的な特性を理解するために、距離と遮へいによる減弱効果について調べるとともに、ベータ線の後方散乱現象について理解を深めます。
【大吉研究室】
実験タイトル:クロマトグラフィーによる混合物からの分子の分離実験
身の回りの物質は、多種多様な分子から成る混合物であり、混合物中の分子はそれぞれ化学的な性質が異なっています。そこで身の回りの混合物から分子の性質の違いを利用してクロマトグラフィーにより分子を分離してみます。クロマトグラフィーは工業的にも研究においても重要な分子の分離方法なので、そのクロマトグラフィーの原理と共に実際の実験法を学びます。
【近藤研究室】
実験タイトル:カプセル分子を利用した水溶液中の陰イオンの捕捉実験
カプセル構造を形成する金属錯体を利用して、水溶液中から、通常は沈殿として分離することができない硝酸イオンや過塩素酸イオンなどを分離除去する実験を行います。